市民参加の科学イベントや
研究室の卒業展覧会に
なくてはならない場です
INTERVIEW
夢キャンパスはデザインシンキングの実践の場
私は東京都市大学のメディア情報学部で情報デザインについて教えています。と言っても、デザイナーを目指す学生対象とは限りません。今は生産技術の視点からではなく、使う人の思いを聞いて社会に必要なものを作っていく、デザインシンキングといわれる発想が求められています。
研究室ではバス路線図や教材、ロボット、情報機器のインタフェースなどをデザインしていますが、このデザインシンキングは、将来どんな方面に進むにも重要なこと。そうした学びの上で、夢キャンパスは恰好の場所です。
たとえば、研究室で提案しているソーシャルロボットも、機能はどうあるべきか、それによって社会がどう変わるかなどを考えてデザインされなければなりません。ワークショップなどでさまざまな人の言葉を聞くことは、学生たちがユーザー視点を知る、よい機会になります。
また私自身、地域の課題にはつねづね関心もあり、大学の知見が、夢キャンでの活動を通して地域の人々に少しでも役立てばという思いもありました。
ワークショップで子どもたちに科学の面白さを伝える
メディア情報学部として夢キャンパスをフルに活用しています。学部では、科学と社会を結ぶ人材育成のための「TCU科学コミュニケーション・プロジェクト」に取り組んでいますが、その一環として2016年10月から学生とともに夢キャンで随時開催しているのが、ワークショップ形式のイベント「サイエンスカフェ」です。
対象は小学生のお子さんと保護者を中心に幅広い層を設定。「バード・カフェ」では3名の教員が生物学・美術・情報デザインの観点から鳥の話をし、参加者の皆さんとアクリル板に鳥の絵を描いたり、粘土で骨格標本を作ったりしました。「ロボット・カフェ」では研究室が提案しているソーシャルロボット「マグボット」を制作。「ベジ・カフェ」ではペットボトルを使った野菜の水耕栽培に挑戦してもらいました。
最新の取り組みは「IoTカフェ」。電子部品やプログラミングソフトを使って、スマートフォンから無線で照明を灯したりできる実験です。どんなIoT サービスを使いたいか発表してもらったところ、我々が思いもよらないアイデアが子どもたちから続々と飛び出し「すごい!」と感心しました。
学外との交流が学生たちの学びを深めます
学生たちにとって、こうしたイベントを企画運営するのは、とても貴重な学びになります。素材を考え、準備をし、人々に伝え、その結果を知る。そこで理解したことが次のデザインへの発想につながります。“現場を通して考える”ということが重要なんです。
2017年からは、情報デザイン研究室の卒業展覧会も夢キャンパスで開催しています。一般の方たちに大学構内まで来ていただくのは大変ですが、夢キャンという場があることで、大学が持つ知的財産を社会に広めながら、交流することができます。「#きっかけ」と題した2018年3月の卒業展にも、多くの皆さんに来場いただきました。
さまざまなジャンルの教員がいて、夢キャンもある東京都市大学だからこそ、取り組めることは多彩です。「サイエンスカフェ」も継続しますし、新しい企画もどんどん繰り出していきたいですね。大変な部分もありますが、科学の面白さを伝えることはとにかく楽しい! 学生たちと一緒に、今後とも思い切り楽しみながら考えていきます。
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